ザ・フライ 老いるとは
1986年のアメリカ映画で、
1958年に公開された「ハエ男の恐怖」のリメイク版ですね。
監督はクローネンバーグ。
もう30年以上前の作品なんだなア。
これはもともとホラー映画というジャンルになるんでしょうが
おどろおどろしい映像もあるのだけれど
もうちょっと内面的にコワいのです。
特にハゲの私が気になったのは「ブランドルハエ博物館」。
主人公のブランドルは自分が発明した「テレポッド」という
物体転送装置での実験に失敗してハエ男になってしまうのですが、
いっきにハエになってしまうのではなく、徐々にハエに変身していきます。
そのプロセスで、爪が抜け、歯が抜けて
それを自虐的にコレクションにしたのが「ブランドルハエ博物館」です。
ハエに完全に変わってしまったら見た目はグロテスクですが、
心の怖さは出てきません。
自分がどんどん変化していくプロセスが怖いのです。
完全に抜けてしまえばそれほど怖くない。
抜け落ちる過程が恥ずかしく、
そして自分の中にあるDNAに気づいて怯えるのです。
一番怖いのは人間としての
記憶や感情を失っていくことなんですが…。
ホラーなんだけど
ちょっとコワ切ないお話なのです。
【本日の教訓】
やっぱこれだけはいっておこう… 僕はハゲ男の恐怖