ウスウス気づいていた
まだハゲ始めの頃、
職場のデスクで座っていると
背後に同期の男が立っている。
何かニヤニヤしながら一言。
「キミの頭の薄くなっているところ、
カメラで撮って見せてあげたいな」
余計なお世話だってーの!
自分でも薄々とは
髪の毛が薄くなっているのは気づいていた。
ただ、自分では見たことがない。
ちょっと見てみたい気もする。
ということで二枚の鏡を持ってきて
僕に見せてくれることになった。
位置を合わせるのが難しいが、
ようやく小さな手鏡の中に自分の頂(いただき)を見いだす。
「なっ!だろ!」となぜか自慢げに語りかけてくる同僚。
かなり薄い。
頭皮がうっすらと見えている。
初めてこんなになっていることを知った。が、
意地をはって「それくらい知ってたさ」といったフリをする。
内心は、肛門の周辺に剛毛が密集しているのを
手鏡で見た時と同じくらいのショックだった。
【今週の教訓】
肛門はたいてい隠しているからいいが、
頭は無防備に晒しているのがツライ