髪の栞
昔、読んでいた本を久々に開いて発見した。
ページとページの間に挟まった五、六本の抜け毛。
あー、想い出した。
そういえば、この本を読んでいたのは二十代中盤だった。
そしてその頃から抜け毛が急に多くなっていったのだった。
本を読みながら、気になる髪の毛を無意識のうちにかき上げている。
すると指の間に抜け毛が二、三本。
これは偶然だよね、という感じで
今度は意識的に髪を梳くと
今度は四、五本くらい抜けたりしてタマげてしまう。
で、もう一度試すと今度は抜けないのでホッとしたりして。
でも、念のためもう一度確認と思ってトライすると
また数本が抜けている。
キリがない。
もう止めようと思いつつ本を読み始めても、
また手が頭にあったりするのだ。
その頃の髪なんだよね。
狂おしいような切ないような気持ちが蘇ってくる。
抜け毛はどれも細くて弱弱しいものばかりだった。
【今週の教訓】
なんで自分のカラダから離れたものは愛おしく、憎らしいのか!?